犬は小松菜を食べれる?生や茹でと量を食べても大丈夫なの!?
犬は小松菜を「生」で食べても大丈夫なのでしょうか?
日本各地で栽培され、和食に欠かせない「小松菜」ですが、犬が食べれる野菜なのかは気になりますよね。
今回は、
このような、犬に与えるときに気をつけたいポイントや、小松菜を美味しく食べれるレシピについてご案内していきます。
愛犬に小松菜を与える際の参考にしてみてくださいね。
犬に「生」の小松菜って大丈夫?食べれる量と「肝臓」「腎臓」へのダメージや「アレルギー」に注意!
「小松菜はやわらかいから、生のまま愛犬に食べさせても大丈夫なんじゃない!」とお思いではないでしょうか?
実は、小松菜には犬に食べさせるときに気をつけたい成分が含まれているんですよ。
また、愛犬に安全に小松菜を与える方法や、「肝臓」や「腎臓」が弱っている子への注意点についてもご案内していきましょう。
小松菜に対して、稀に食物アレルギーを示す犬がいるため、注意したいポイントについてもお伝えしていくので参考にしてくださいね。
犬に「生」の小松菜は控えましょう!茹でることで安全に食べれるので大丈夫
結論からいうと、犬に「生」のままの小松菜を与えることは控えたほうがいいでしょう。
小松菜を「生」で食べてすぐに問題があるわけではありませんが、「茹でる」ことで、犬がより安全に食べれるようになります。
その理由は犬にとって有害な「シュウ酸」という成分が小松菜に含まれていることです。
ただし、小松菜に含まれるシュウ酸は、水に溶けやすいため「茹でる」ことで犬が食べても大丈夫な状態になるので安心してくださいね。
それに加え、小松菜には豊富な「ビタミン」「ミネラル」が含まれ、犬にとっても嬉しい栄養素がたっぷり詰まっています。
そこで、小松菜に含まれる代表的な成分と犬への効果についてご案内していきましょう。
栄養素 | 栄養素の働きと犬への効果 |
βカロテン | 高い抗酸化作用をもつ成分で、犬の体内でビタミンAに変換される 犬の「粘膜の保護」「 免疫力アップ」「 老化防止」に効果あり |
ビタミンC | コラーゲンの生成や骨や歯を健康に保つための成分で、高い抗酸化作用を持つ 鉄分の吸収を促したり、解毒作用を持つため犬の健康維持に効果的 |
ビタミンE | 高い抗酸化力を持つのが特徴 犬の腎臓を弱らせたり、消化器官にダメージを与える活性酸素を除去できる ビタミンCと一緒に摂ることで、安定した効果を発揮する成分 |
鉄分 | 酸素を全身に運ぶ役割を持つ 犬の貧血を防ぐためには十分な量の鉄分が必要 |
カルシウム | 筋肉を正常に動かすために必要な成分 犬の体内では生成できない成分のため、食品から取り入れる必要がある |
小松菜には高い抗酸化力を持つビタミンが豊富に含まれていて、犬の健やかな成長を助けてくれます。
小松菜に含まれる鉄分は「野菜の中でもトップクラス」の量なんですよ。
小松菜に含まれている「非ヘム鉄」と呼ばれる成分は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
成分にビタミンCが含まれている小松菜を食べることで、効率よく愛犬に鉄分を補給してあげられるでしょう。
肝臓の弱い犬に小松菜を食べさせるときは「量」を守って!アレルギーに気をつけて少しずつ与えましょう
小松菜には犬にとって嬉しい効果を持つ成分がたくさん含まれていますが、与える際に注意してほしいこともあります。
小松菜に含まれる「βカロテン」は、摂りすぎると肝臓の弱い犬には負担になってしまう恐れがあるので注意しましょう。
βカロテンを含んだ小松菜を過剰に食べすぎると、犬が「ビタミンA中毒」を引き起こす可能性があります。
犬は肝臓に蓄えたβカロテンをビタミンAに変換する能力が高いため、過剰摂取からの中毒につながらないように気をつけてあげてくださいね。
「それ、小松菜って本当に大丈夫なの?」と心配になるでしょうが、犬の肝臓に余計な負担をかけないように食べれる量をしっかり守ってあげれば問題ありませんよ。
ただし、肝臓が弱っていたり、既往歴のある犬には小松菜を積極的には食べさせない方が安全でしょう。
アブラナ科の野菜である小松菜には、甲状腺ホルモンの分泌を妨げる「ゴイトロゲン(グルコシノレート)」という成分が含まれています。
ホルモンの分泌が妨げられることで、運動能力の低下や元気がなくなる恐れがあるため、甲状腺に問題を抱えている犬には小松菜を食べさせない方がいいでしょう。
ごく稀にですが、小松菜に対してアレルギー反応を示す犬がいます。
初めて愛犬に小松菜を与えるときには、少しの量ずつ数日に分けて、アレルギー反応が出ないか見極めるようにしましょう。
「体がかゆそう…」「下痢っぽい」といったアレルギー反応が愛犬に起こったら注意が必要です。
小松菜を食べさせた後は、愛犬の体の調子に異常がないかチェックしてくださいね。
アレルギーが疑われるような状態になったら、すぐに小松菜を犬に与えるのを控えましょう。
犬のサイズ | 小松菜の目安の量 |
小型犬(2~5kg) | 125~240g |
中型犬(6~15kg) | 285~560g |
大型犬(20~50kg) | 700~1400g |
犬が小松菜を食べれる量は「意外と多い…」とお思いではありませんか?
確かにその通りで、カロリーが低いからといって目安の量を最大まで犬に与えてしまうと、消化器官に負担がかかったり、主食を食べられなくなったりする恐れがあります。
小松菜はあくまでも犬のご飯のトッピングや、おやつに入れる食材の一部として使うようにするといいでしょう。
また、小松菜だけでは摂れる栄養素が偏ってしまうので、総合栄養食などを取り入れてバランスの良い食事を愛犬に食べさせてあげてくださいね。
小松菜やほうれん草に含まれる「シュウ酸」は「結石」の原因に!腎臓の弱い犬は注意して
「小松菜」と「ほうれん草」は、葉物の緑黄色野菜として比較されがちな野菜です。
色や形が似ているだけでなく、小松菜とほうれん草は含まれる栄養素にも共通している部分があるんですよ。
それでは、小松菜に含まれる栄養素をほうれん草と比べてみましょう。
小松菜(100gあたり) | ほうれん草(100gあたり) | |
シュウ酸 | 50mg | 800mg |
カルシウム | 170mg | 49mg |
鉄分 | 2.8mg | 2.0mg |
アク | 少ない | 多い |
ほうれん草と比較すると「15分の1」ほどの量ですが、小松菜にも犬にとって危険な「シュウ酸」が含まれていることを忘れないようにしておいてくださいね。
小松菜とほうれん草に含まれるシュウ酸は、犬の腎臓や膀胱などの泌尿器で「結石」を作る原因になります。
これが「尿路結石」です。
結石が邪魔をして犬の体内に尿が溜まってしまうと、腎臓に大きな負担がかかるので注意しましょう。
最悪の場合、結石が原因で犬の腎臓機能が停止して、毒素が体内に溜まり中毒を起こして死に至る可能性もあるのです。
腎臓は機能が弱っていても外からは分かりにくいのですが、
- 犬の尿の回数が急に増えた
- 犬が尿を出すのに時間がかかるようになった
- 排尿時に犬が痛みを感じているようだ
- 犬の尿に血が混じっている
といった兆候があれば、犬の体内に結石があるかもしれないので、速やかに獣医師に相談するようにしましょう。
ただし、小松菜に含まれるシュウ酸の量はほうれん草と比べてもかなり少ないため、それほど心配しなくても大丈夫です。
先ほども記載したように、小松菜を茹でてから水にさらせばシュウ酸が溶け出るため、犬の体内に結石ができる危険性を減らせますよ。
小松菜を愛犬に食べさせるときには、シュウ酸による結石のリスクを減らすために「茹でる」ことを忘れないようにしておいてくださいね。
小松菜などの犬が食べて大丈夫な「冬野菜」たっぷりのご飯レシピ!トッピングやおやつにも最適
「小松菜」と「白菜」「キャベツ」や「ブロッコリー」「にんじん」といった、これらの野菜の共通点が何かご存じでしょうか?
「小松菜」「白菜」や「キャベツ」「ブロッコリー」と「にんじん」は旬の時期が同じ「冬野菜」として親しまれているという共通点があるんです。
そんな小松菜などの冬野菜をたっぷり使った「犬が食べれるご飯レシピ」を2種類ご案内していきますね。
冷凍後に電子レンジで解凍できる「小松菜と冬野菜たっぷりのスープ」は、愛犬と同じく、お忙しいあなたにもおすすめのレシピですよ。
冬野菜を使った犬も食べて大丈夫なレシピ!「小松菜」と「にんじん」「白菜」が入ったあんかけご飯
それでは、秋から冬にかけて旬をむかえる「鮭」と「にんじん」、鍋の材料としても欠かせない「白菜」を使った犬も食べれるご飯レシピをご案内していきましょう。
片栗粉を使ってとろみをつけた消化に優しくした小松菜と冬野菜のレシピになっているので、胃腸が弱っている子やシニア犬にもおすすめですよ。
【鮭と小松菜などの冬野菜を使った愛犬の消化にやさしいあんかけご飯のレシピ】
材料(4㎏ほどの小型犬1食分)
- 鮭 40g
- 白菜 30g
- にんじん 15g
- 小松菜 10g
- 片栗粉 3~5g(適量)
- 水 150ml
- 炊いたご飯 25g
1. 小松菜と白菜は1cm角に切ります。
にんじんはみじん切りにし、電子レンジで1~2分加熱しておきましょう。
鮭は自然にほぐれるので適当な大きさで大丈夫ですよ。
2. 鍋に水150 mlを入れて沸騰させます。
鮭とにんじんや白菜を入れて煮込みましょう。
あくを取り除きながら、具材に火が通るまで中火~弱火にかけてくださいね。
3. 材料に火が通ったら小松菜をいれます。
小松菜がしんなりしてきたら火を止めましょう。
水に溶いた片栗粉を加えたら、再び、火をつけとろみがでるまで煮込みます。
4. あんに適度なとろみがでたら完成です。
炊いたご飯の上にあんかけを盛り付けましょう。
あんかけをドッグフードのトッピングやおやつにするのもおすすめですよ。
【あんかけご飯のレシピの食材に含まれる主な栄養素と犬への効果】
鮭にはタンパク質とEPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていて、犬や人の血液をサラサラにする効果があります。
鮭に含まれる良質なタンパク質は、犬の健やかな体づくりに効果的です。
βカロテンが豊富に含まれているにんじんは、犬の健康な皮膚や被毛の維持を助ける効果があります。
また、にんじんに含まれるβカロテンには、高い抗酸化力があり、犬の免疫力を向上させるのに効果的です。
白菜にはβカロテンの他に、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
白菜は水分が多いため、犬の消化器官に負担をかけることなく栄養素を摂れるのがメリットです。
愛犬も食べて大丈夫なレンジで時短できる小松菜レシピ!キャベツやブロッコリーも入った栄養満点スープ
小松菜と同じ冬野菜として知られる「キャベツ」と「ブロッコリー」を使った、愛犬への栄養満点のスープレシピをご案内しましょう。
この愛犬の体が温まる小松菜などの野菜スープのレシピは、作り置きをしておけばレンジを使って解凍できるため、「毎食作るのはちょっと…」という忙しいあなたにもおすすめです。
【小松菜などの冬野菜たっぷり!愛犬の体が温まるスープのレシピ】
材料(4㎏ほどの小型犬1食分)
- キャベツ 35g
- 小松菜 20g
- ブロッコリー 10g
- しいたけ 8g
- 水 250ml
1. 小松菜とキャベツ、しいたけは1cm角にカットします。
ブロッコリーの茎の部分は細さめにカットし、電子レンジで1~2分加熱しておきましょう。
ブロッコリーのつぼみ部分は茹でることで自然に崩れるので、大きめに切っておいても大丈夫ですよ。
2. 鍋に250mlの水を入れ火にかけます。
水が沸騰したら、刻んだ小松菜などの材料を鍋に入れましょう。
3. あくを取り除きながら、中火で15分ほど煮込んだら小松菜やキャベツ・ブロッコリーなどの野菜スープの完成です。
小松菜とキャベツやブロッコリーなどが入った野菜スープは、ドッグフードにかけるトッピングにしたり、おやつ代わりに愛犬に食べさせてもいいでしょう。
野菜スープは冷凍保存できるので、多めに作ってタッパーに保存しておくこともできますよ。
冷凍保存したスープは電子レンジで簡単に解凍できるため、忙しいあなたにもおすすめです。
愛犬の食事前に冷凍庫から取り出して軽く自然解凍しておけば、電子レンジで20~30秒温めるだけで丁度いい温度になりますよ!
【野菜スープのレシピで使用する食材に含まれる主な栄養素と犬への効果】
食物繊維とキャベツ特有の「ビタミンU」が豊富に含まれています。
ビタミンUは犬の胃腸の調子を整えるのに効果的な成分です。
ブロッコリーには、ビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは活性酸素を取り除き、犬の疲労回復や免疫力アップの効果が期待できる成分です。
しいたけには、食物繊維とカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは、犬の体内で細胞が正常に働くことを助けるミネラル分です。
腎臓や消化器官に問題のある犬にはカリウムを含んだ食材を与えすぎないように、適切な量を守りましょう。
手作りご飯だけだと愛犬の栄養バランスが偏ってしまう恐れがあるため注意してくださいね。
総合栄養食のドックフードなども使いながら、バランスよく食べさせてあげましょう。
こちらの記事では、
- 犬に与えるときは小松菜を「生」のまま与えず「茹でる」ようにしましょう
- 小松菜に含まれる「シュウ酸」は比較的 量は少ないのですが、茹でることで溶け出しやすくなり犬の体内に結石ができるリスクをさらに下げられます
- ごく稀に小松菜にアレルギー反応がでる場合があるため、愛犬に与えるときは少しの量から与え始めましょう
といった小松菜を愛犬に与える際に知っておいてもらいたいポイントについてご案内しました。
栄養豊富な小松菜は、犬にとっても美味しく食べれる野菜のひとつです。
安全な与え方を把握して、愛犬に小松菜を美味しく食べさせてあげてくださいね。
シュウ酸が気になる場合は、事前に小松菜だけ茹でるようにしましょう!