犬はアボカドを食べれる?少量舐めたり同じ部屋で食べた&調理は大丈夫!?
「森のバター」として栄養価が高いことで知られるアボカドは、犬が食べれる食品なのでしょうか?
濃厚な味わいが癖になるアボカドを、愛犬が少量といえど食べたり、舐めたりして大丈夫なのか気になりますよね。
今回は、
こういった、犬がアボカドを食べれるのかといった疑問や、飼い主であるあなたに知っておいてもらいたいポイントについてご案内していきましょう。
愛犬がアボカドを食べて危険な症状に陥ることがないように、分かりやすくお伝えしていきますね。
犬に少量のアボカドや同じ部屋で調理したり舐めたりすると死亡の危険も?猫などのペットが食べたら要注意
人間は食べれるけれど、犬や猫にとっては毒性をもつ食品がありますが、こちらでは、その中のひとつであるアボカドの「ある成分」に関しての致死量や症状についてご案内していきましょう。
また、犬や猫はアボカドを舐めたり、ごく少量なら食べて大丈夫なのか、アレルギーの心配はあるのかといった疑問にもお答えしていきますね。
そして、見出しを読んだあなたは「同じ部屋ってどういうこと?」と不思議に思われたかもしれません。
実は、ペットによっては、アボカドを調理している「同じ部屋」にいるだけで命に係わることもあるので注意点についてもお伝えしていきましょう。
アボカドは犬に食べさせないで!「致死量」や「毒性」症状による危険とは!?
結論から言うと、アボカドは犬が安全に食べれる食品ではないため与えないようにしましょう。
アボカドに含まれる「ペルシン」という成分には、犬に中毒を引き起こす危険があります。
アボカドの「葉」や「皮」「種子」に含まれる殺菌作用の強い成分である「ペルシン」は、犬・猫などや小動物・鳥などにとって毒性のある成分です。
後ほど詳しくお伝えしますが、致死量を超えたペルシンの毒性によって、小鳥が死亡した例も報告されているので注意してくださいね。
犬や猫がペルシンを含むアボカドを食べた場合には、「下痢」や「嘔吐」といった中毒による症状を引き起こす恐れがあります。
アボカドに含まれる「ペルシン」は1995年にその存在が明らかになり、比較的新しい成分であることから犬に対する致死量は研究が進められている最中で、はっきりとした答えは解明されていません。
そのため、アボカドの「果肉」部分に、犬の致死量に相当するペルシンが含まれているか、「産地」や「品種」によっては安全なのかについては意見が分かれています。
例えば、アボカドの果肉の入りのドッグフードやおやつが、数十年問題なく販売されているのも事実です。
しかし、ペルシンについて、研究途中である現段階においては、「アボカドが含まれる全ての商品が犬にとって安全」だとは言い切れないことを認識しておいた方がいいでしょう。
あなたがアボカドに特別なこだわりを持っていないのであれば、果肉も愛犬に食べさせないようにすることをおすすめします。
ペルシンは人間には無害なため、アボカドは犬が食べて大丈夫な食品だと思われているかもしれません。
確かに、人間に近い霊長類などは安全に食べれるアボカドですが、犬や猫などの他の動物たちにとっては毒性があることをしっかりと認識しておきましょう。
犬にとって危険なペルシンが、アボカドにどの程度含まれているかは「産地」や「品種」によって異なります。
そのため、小動物にとって致死量を超えるペルシンを含んでいるアボカドもあれば、犬や猫が食べても症状があらわれないものもあるというわけです。
ただし、日本のスーパーでよく販売されているメキシコ産などのハス種という「グアテマラ系」のアボカドには、ペルシンが多く含まれているので、犬や猫などを含む動物に対しては気をつけるようにしてくださいね。
そして、アボカドに含まれるペルシンの毒性が、犬にどのような症状を起こすかは個体差が大きいため、「少量だから大丈夫でしょ」と軽い気持ちで食べさせない方がいいでしょう。
また、アボカドは100g中の約20%が脂肪分という、犬にとって非常に高カロリーな食品です。
アボカドなどの高カロリー食は、犬に「膵炎」を引き起こす可能性があるということにも注意してくださいね。
犬の膵炎の症状は、「嘔吐」や「食欲不振」などから始まり、悪化すると「多臓器不全」などを引き起こし死亡に至るケースもあります。
このように、アボカドは犬に中毒を引き起こすことと、膵臓にも負担をかけるといった面から避けた方がいいでしょう。
そのため、アボカドは少量であっても犬に食べさせたり、舐めさせたりしないようにしてくださいね。
犬がアボカドを少量舐めたり食べたりしたらどうしたらいい?「アレルギー」の心配は!
「お皿の上に置いてたのを舐めたかも…」このように、愛犬が誤ってアボカドを食べてしまったとしても大丈夫なのか心配ですよね。
もし、犬がアボカドを食べてしまった場合、中毒の症状が出るまでには3日ほどかかる可能性があるため、数日は体調変化に気を配りましょう。
これまでにお伝えしたように、少量のアボカドを舐めたり食べたりした程度であれば、犬に特別な症状が出ないこともあります。
愛犬が誤って少量のアボカドを舐めたり食べたりしても、普段と変わらずに元気に過ごしているようであれば、心配しすぎなくても大丈夫ですよ。
アボカドを食べた後に、犬が体をかゆがったり、嘔吐や下痢をしたりする場合は「アレルギー」も疑いましょう。
アボカドを食べてすぐにアレルギー反応を示すこともあれば、数時間経ってから犬に症状が出る場合もあります。
犬がアボカドを誤って食べてしまった後には、中毒だけでなくアレルギーによる体調不良にも注意が必要です。
もし、アボカドを食べたあとに、アレルギーが疑われる異変が愛犬に見られたら、すぐに獣医師に相談するようにしてくださいね。
アボカドは犬と同じ部屋で調理したらだめ!?鳥には死亡した例もあり猫などのペットは要注意
アボカドを天ぷらにするために調理をしていたら、同じ部屋にいたインコが死亡してしまったという事例をご存じでしょうか?
「えっ!」っと驚くような話ですよね。
原因は、アボカドを加熱調理したときに発生したペルシンのガスで、吸い込んだ小鳥が呼吸困難を起こして死亡したと報告されています。
前に少しだけ述べたように、アボカドに含まれるペルシンは、インコなどの鳥類にとって強い毒性を持っているので、特に注意してくださいね。
犬や猫には鳥類ほどの危険はないのですが、同じ部屋でアボカドを加熱調理する場合、ペットにはガスによる危険があるかもしれないことを把握しておきましょう。
念のため、ペットと同じ部屋でアボカドを加熱調理することは控えて、換気を徹底することをおすすめします。
加熱調理しない場合には、ペットと同じ部屋で調理しても大丈夫ですよ。
アボカドの種は大きめで、小型犬が食べれるサイズではありませんが、中・大型犬はうっかり飲み込んでしまう可能性があるので注意してくださいね。
アボカドの種は犬が消化できないため、胃から腸までそのまま流れていきます。
サイズの大きいアボカドの種が詰まると「腸閉塞」を起こす恐れがあるので気をつけましょう。
腸閉塞を起こすと、犬に脱水の症状が起き、最悪の場合は死亡する危険もあります。
愛犬がアボカドの種を飲み込んでしまったとしたら、「大丈夫かな…」と様子を見ている場合でないので、速やかに獣医師に相談するようにしてくださいね。
愛犬がいたずらして、誤ってアボカドの種を舐めたり飲み込んだりしないように、同じ部屋のゴミ箱に捨てるときには注意が必要です。
犬はアボカドの加工品なら食べれる?与えて大丈夫なオイルやドッグフードはある!?
これまで、犬にアボカドは与えないようにお伝えしてきましたが、「オイル」や「ドッグフード」に加工されている場合は食べて大丈夫なのでしょうか?
アボカドのオイルのように、原料として使われている加工品なら、犬が食べれるのか気になりますよね。
また、「アボダーム」という原料にアボカドが使われているドッグフードがありますが、「犬用として販売されているなら食べて大丈夫じゃないの?」と考えるのが普通ではないでしょうか!
実際のところ、アボダームは犬が食べても心配はないのか疑問ですよね?
こちらでは、犬がアボカドを使った加工品を食べて大丈夫なのか、注意点を交えながらご案内していきますで参考にしてくださいね。
アボカドの加工品は犬に与えて大丈夫とはいえない!オイルやソースは食べさせないで
アボカドを使った加工品の代表として「オイル」があげられます。
アボカドのオイルは、果肉から油分を抽出しているため、犬に中毒を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
ただし、ここまでお伝えしてきたように、アボカドの産地や品種によっては犬が食べて大丈夫という場合もあります。
しかし、加工品のアボカドのオイルには産地や品種が詳しく載っていないこと、そもそも、ペルシンの致死量がはっきりしていないことから、犬に与えるのは控えた方が安全でしょう。
また、アボカドのオイルに対して犬がアレルギーを示す危険は少ないのですが、誤って舐めたときには異変がないか数日様子をみてくださいね。
その他、アボカドのソースには味が付いていることが多く、犬にとっては塩分や糖分の摂りすぎになる恐れがあります。
そして、オイルと同じくソースに使われているアボカドの産地や品種も不明なことが多いため、犬に食べさせるのはやめておきましょう。
犬が食べれるように作られたアボカド入りの「アボダーム」というドッグフードなら食べて大丈夫!?
アボカドが原料に使われている「アボダーム」は、1982年から販売されているドッグフードです。
アボカドを含んでいるアボダームですが、数十年の間、アメリカや日本で安全に販売されてきたという揺るぎない実績があります。
その点で、愛犬の体質に合うようであれば、アボダームを食べさせても大丈夫ですよ。
アボダームには、アボカドに含まれる豊富な不飽和脂肪酸のおかげで、犬の皮膚や被毛を美しく保つ効果があります。
とくに、不飽和脂肪酸の「オメガ3」や「オメガ6」は、荒れた皮膚を改善させ、犬の毛ヅヤを良くするのに最適な成分です。
アトピーなどの皮膚の問題を抱えている犬には、アボダームの効果が期待できるかもしれません。
また、ドッグフードであるアボダームには、アボカドの他にも多くの食材が使われています。
アボダームの主原料は「乾燥ビーフ」などの肉類で、アボカドが主役というわけではないので、犬によっては問題なく食べれるドッグフードです。
しかし、ドッグフードが体質に合わないと、アボカドの有無に関わらず、犬が体調を崩す恐れがあるので、食べさせ始めは少量から切り替えていきましょう。
もし、アボダームを食べて愛犬が体調を崩しても、「アボカドのせいだ!」とは断定できませんが、異変を感じたら与えないようにしてくださいね。
ただし、アボカドの果肉やどれくらいの量なら犬が食べても大丈夫なのか危険なのかという議論はいまだに続いています。
そのため、愛犬にアボカドを使ったドッグフードの「アボダーム」を食べさせるかは、飼い主であるあなたが判断してあげましょう。
ここまで、アボカドの成分や犬に対する危険の有無についてお伝えしてきました。
アボカドは、産地や品種によってペルシンが含まれる量が異なり、犬の個体差によっても影響の出方に差があります。
そして、犬に対してペルシンの致死量がどの程度か、はっきりした数値が判明していないのも事実です。
そのため、アボカドを食べさせたい特別な事情がない限りは、積極的に愛犬に与えないことをおすすめします。