チンチラの適温と温度管理!湿度と冬のエアコンや夏の冷房の実際の調整
フワフワの美しい毛並みと可愛らしい仕草で人気のチンチラは、アンデス山脈に生息する動物で、実際のところ温度や湿度の高い日本の気候は苦手なのです。
生息地ではない日本でチンチラを飼育するためには、エアコンや冷房を使って冬や夏の湿度や温度を管理しないといけません。
今回は、そんなチンチラの飼い方のポイントである、次のような「温度管理」についてご案内していきましょう!
チンチラの温度管理!適温での飼育に冬のエアコンや夏は冷房が実際のところ不可欠
チンチラが健康を維持し、快適に過ごせる温度がどれくらいかご存じでしょうか?
チンチラを日本で飼育するには一年間一定の範囲内で温度を保つように管理し、生息地に近い環境を整えることがとても重要です。
ここでは、適温を保つことの重要性とともに、夏や冬の冷房とエアコンを使ったチンチラの飼い方のポイントについて分かりやすくお伝えしていきますね。
チンチラの夏の温度として25度~26度が実際の上限!管理しないで28度を超えると危険
チンチラはアンデス山脈の標高の高い地域に生息している動物で、本来は、温度や湿度の高い日本の夏場の気候での飼育には向いていません。
実際に、チンチラが快適に過ごせる、いわゆる「適温」は18度~21度です。
日本の夏の気温は、午前中から28度~30度、ときには35度というチンチラの生息地域では考えられない温度になってしまいます。
そのため、日本でチンチラを飼育する場合は、夏や冬を中心に「一年のうちの大半は温度管理が必要になる!」と考えておいてくださいね。
もしも、チンチラの部屋の温度が適温より高いとどうなるのでしょうか?
まず、チンチラは部屋の温度管理をしないで25度を超えた環境になると、元気がなくなったり、食欲が落ちてしまったりします。
そのため、特に夏はチンチラのケージ内はもちろんのこと、部屋の温度にも気を配らなければいけません。
夏場のチンチラの最適な飼い方は、冷房などを上手に利用しながら、部屋全体が18度~21度を保てるよう、温度計を設置してしっかりと管理することが大切です。
チンチラを飼育するにあたり、夏にこれだけの温度管理をするには、当然、電気代も相当かかります。
しかしながら、夏場に温度管理をしないで部屋が25度~26度を超えるような状態が長く続いたり、28度を超えるような高温になったりすると、脱水状態になったり、熱中症になったりするなど、チンチラの命に危険を及ぼすことになりかねません。
チンチラの飼育を検討される場合、夏においては部屋やケージ周辺が適温にあたる20度前後を保てるよう温度計を置いて管理し、常に冷房により快適な環境で生活できるよう工夫した飼い方ができるかどうかが大きなポイントとなってきます。
・チンチラの適温:18度~21度
・チンチラが元気がなくなったり、食欲が落ちたりする温度:25度~26度
・チンチラが脱水状態になったり、熱中症になったりする温度:28度以上
チンチラは冬も温度管理しないといけない理由!
日中と夜間の温度差が激しい日本の冬の室内は、チンチラにとって過酷な生活環境です。
実際にペットとして日本で飼育するチンチラには、夏の温度管理はもちろんのこと、冬の寒さにも十分なケアが必要になります。
もしも、度温管理をしないで、チンチラが寒い環境に居続けるとどうなるのでしょうか?
寒さにより最も注意しなければいけないのが、部屋の温度が低下することによるチンチラの「疑似冬眠」です。
疑似冬眠とは、周囲の温度が低くなることで急激に体温が低下したチンチラが、命を守るために敢えて自分の体温を低くし、呼吸や心拍の数を少なくして「仮死状態」になることをいいます。
これは、野生のチンチラが温度が低下する時期に行う、本来の「冬眠」とは違い、実際には「低体温症」になっているということです。
野生のチンチラは、温度が下がり始めるのを感じた頃から、「冬眠」するための準備として十分に餌を食べ、寒い時期を越すのに必要なエネルギーをたっぷりと蓄えはじめます。
しかし、部屋の温度低下によって、飼育されているチンチラが十分な準備ができないまま疑似冬眠に入ってしまうと、エネルギー不足からそのまま死んでしまう可能性があるのです。
このように、チンチラが温度の低いところに居続けた場合にどうなるかというと、冬眠するではなく、凍死してしまう可能性があり、とても危険な状態だということを把握しておきましょう。
一般的に、チンチラが疑似冬眠に入る温度は「5度以下」です。
そのため、チンチラがいる部屋は、夏だけでなく冬でも温度計を確認しながら、必要に応じてエアコンを使用するなどの管理が求められます。
このように、チンチラの飼育では、夏や冬にかかわらず「常に適温を保つこと」が必要なのです。
温度低下により、チンチラを「疑似冬眠」させることのないよう十分に注意しましょう。
・チンチラの飼育には、冬でもエアコンなどによる温度管理が必要
・チンチラが「疑似冬眠」に入る温度:5度
チンチラの適温対策|夏の冷房や冬のエアコンによる温度管理のための電気代には覚悟が必要!
ここまで、チンチラの飼育には「温度管理が重要なポイントになる!」というお話しをしてきました。
夏の昼間は28度を平気で超え、冬の朝方は5度以下が当たり前となるところも多い日本の気候のなかで飼育されるチンチラにとって、エアコンや冷房での温度管理は基本です。
環境省が推奨する夏のエアコンや冷房の設定温度の目安は「28度」ですが、チンチラを25度~26度を超えた環境での飼育は許されません。
しかし、いくら真夏でも、実際にチンチラの適温である20度前後までしっかりと室温を下げると、人には「寒い」と感じてしまいますよね。
このように、チンチラの適温を保つためには「人は衣服で温度の調整する」といった対策も必要になります。
一方、冬の温度の環境省が推奨する目安は「20度」で、こちらはチンチラにとっての適温です。
そうとはいえ、夏場と同様、チンチラのために真冬の部屋の温度を20度前後で管理し続けるとなると、人は「こたつのような別の暖房器具を利用して暖を取る」といった手段を講じる必要もあるでしょう。
このように、チンチラの適温である18度~21度という温度を一年中一定に保つように管理するには、常にエアコンや冷房などを使用するだけでなく、人間の快適さを整えるための工夫も必要になるということです。
さらに、たとえ部屋の中がエアコン(冷房)などでチンチラの適温に保てていたとしても、ケージ内の温度管理ができていなければ全く意味がありません。
室内だけでなく、チンチラのケージ内にも温度計を設置し、必要に応じてパネルヒーターなど「小動物用や爬虫類用の冷暖房用品」を活用しながら調整するようにしましょう。
なお、チンチラのケージ内の温度管理に使用できる「小動物や爬虫類用の冷暖房器具」は、ペットショップやホームセンターなどで入手可能です。
ちなみに、パネルヒーターは効果てきめんのため、冬のチンチラのケージ内の温度が逆に25度~26度を超えないよう管理を怠らないように使ってくださいね。
ここまでくると、チンチラのための温度管理でエアコン(冷房)やヒーターの電気代がどうなるか心配になりますよね?
チンチラの適温を保ち、快適な環境の下で飼育するためのランニングコストは、エアコン(冷房)やヒーターの電気代+αを加味して考えてください。
ズバリ!チンチラの飼育における夏や冬の電気代には、相応の「覚悟」が必要です!!
チンチラは温度に加え湿度も管理しないと危険!飼育や飼い方の実際
チンチラが、日々快適に過ごせるようにするためには、温度とともに湿度の管理も重要です。
たとえ、適温を維持していたとしても、ケージ内の湿度や風の通り方などによって、チンチラの体感温度は変わってきます。
それでは、チンチラにとっての「実際の適温」を保つためには、どのようにしてあげたらよいのでしょうか?
ここでは、チンチラの適温を保つための「湿度」管理の方法についてご紹介します。
チンチラは温度が適温でも湿度が高いとどうなる?飼育での影響や実際に起こる問題
同じ室温であっても、湿度や風通しによって、チンチラの体感温度はかなり変化してしまいます。
その理由は、湿度が高い環境では体温が下がりにくくなり、実際の温度より暑く感じるためで、これは人間もチンチラも同じですよね。
アンデス山脈が生息地のチンチラにとって、温度や湿度がともに高い日本の環境は、むしろ、人間よりも苦痛に感じるでしょう。
万が一、エアコン(冷房)などで管理をせずに、温度や湿度が高い状態が長く続いたりすると、ケージ内にカビやダニが発生し、チンチラが皮膚を痒がるようになったり、被毛が抜けてしまったりすることがあります。
さらに、夏場や梅雨時の温度や湿度の高いムシムシとした室内は、チンチラが熱中症をおこす可能性もありとても危険です。
チンチラの健康を守るためには、ケージ内に温度計とともに湿度計も設置して、日々適切に環境を管理してあげる必要があります。
ちなみに、チンチラにとっての適温の範囲内で、快適に過ごせる湿度は「40%以下」です。
夏場や梅雨時には、チンチラの飼育に適切な温度や湿度を保つためにも、さらに、電気代がかかることにはなりますが、除湿機を取り入れることも検討する必要が出てくるでしょう。
夏も冬も、常にチンチラが適温で、かつ、居心地のよい環境で過ごせるよう、しっかりと湿度も管理してあげてくださいね!
・チンチラのケージ内には、温度計や湿度計を設置
・チンチラが適温で快適に過ごせる湿度:40%以下
チンチラにとって湿度は低いほど嬉しい!乾燥しがちな冬の飼い方
チンチラの生息するアンデス山脈は降雨量が少ないため、湿度は0%に近い環境です。
そのため、チンチラは身体が乾燥しないようにするため、皮膚から「油成分(ラノリン)」を出して全身を保湿するなど、湿度の低い環境に適応できるようなしくみになっています。
つまり、チンチラにとって、湿度が低いこと自体に何の問題もありません!
むしろ、チンチラに合わせて、湿度が低い状態を保つことで問題になるのは、飼い主である「あなたの乾燥対策」です。
それでなくても冬場は乾燥するうえに、エアコンによる温度管理でさらに湿度が下がることから、チンチラよりも、人間の皮膚や頭皮の乾燥がひどくなってしまったり、喉を痛めてしまったり、風邪を引きやすくなってしまったりすることがあります。
温度や湿度が低い冬のチンチラの飼い方では、実は「人間の保湿」が重要なポイントになるといっても過言ではないでしょう。
チンチラの適温や快適な環境のためだからと、飼い主であるあなたが、乾燥のあまり快適に生活できなくなったり、体調が悪くなったりといった犠牲は良いことではありません。
ただし、チンチラを飼育する場合、温度管理で湿度が下がるからといって、室内全体を加湿することは、ケージ内の「多湿」を招く恐れがありNGです。
たとえば、温度管理をしながらチンチラ部屋全体の湿度を上げ過ぎない方法として、次のような対策をおすすめします!
室内やケージ内に設置した温度計や湿度計を確認しながら、チンチラだけでなく、人間にとってもベストなコンディションを保てるように工夫することが大切です。
・チンチラはエアコンでの温度管理により湿度が低い状態でも、皮膚からラノリンを分泌して全身を保湿できる
・温度の低い時期の乾燥対策は、チンチラよりも人間に必要
チンチラ部屋は温度計や湿度計で徹底管理!エアコンや冷房を上手に活用するのが飼い方のコツ
ここまでお伝えしてきました通り、チンチラにとって、25度~26度を超えるような夏の高い温度や梅雨時の湿度、そして、秋冬の寒暖差は体調を崩す大きな原因となります。
特に、チンチラにとっては、室内の温度が25度~26度ある状態は危険水域であり、28度以上になると命の危険もあることを忘れないでくださいね。
さらに、室内の温度が5度以下になったり、日当たりなどで1日の気温差が10度以上あったりするような部屋は、冬でもチンチラにとって過酷な環境であり、エアコンでの温度調整は欠かせません。
チンチラにとっては、一年中寒暖差がなく、適温である20度前後が保たれ、湿度も40%以下がキープされている環境で生活することが最も理想的です。
当然、季節ごとの温度差が大きい地域であったり、日当たりが時間ごとに差がある飼育部屋だったりする場合は、チンチラの理想的な環境づくりのために「一年中エアコンや冷房を使わなければいけない」ということもあります。
もちろん、電気代はかかりますが「チンチラのための温度管理をしないとどうなるか?」を考えれば、当然、避けては通れません。
チンチラの飼い方で最も重要なポイントは、エアコンや冷房を上手に使用して一定の温度を保つこと、そして、湿度の低い状態を維持することです。
可愛いチンチラのためとはいえ、電気代は気になるところではありますが、「エアコン(冷房)は常に同じ設定温度にしておく」ことで若干の電気代の節約が期待できます。
エアコンや冷房を上手に活用し、温度計や湿度計でしっかりと管理しながら、可愛いチンチラの飼育ライフを思い切り楽しんでくださいね!