犬はエビを食べれる?えびせんとしっぽや殻に天ぷらは大丈夫!?
お祝いの席や豪華な料理で食べたいエビですが、美味しい物は愛犬にもあげたいなと思うのが飼い主の気持ちですよね。
しかし、犬はエビを食べれるのでしょうか?
「しっぽや殻」なら大丈夫なのか、「犬がエビフライや海老の天ぷらを食べる」とどうなってしまうのかをご存じですか?
犬用のおやつでえびせんも売っていますが、アレルギーも心配ですよね。
そんな心配をよそに、犬はエビの美味しそうな匂いがすれば、食べれるものなのか判断せずに食べてしまいますので飼い主であるあなたが気を付けてあげなくてはいけません。
こんな犬のエビについての心配や、食べさせることでの良い効果についても分かりやすく解説していきますね。
犬はエビを食べれるものの「しっぽ」や「殻」と「生」のものまで大丈夫という訳じゃない!
エビフライや海老の天ぷらを食べた後、しっぽや殻が残るとついつい愛犬にあげたくなりますよね。
しかし、エビのしっぽや殻は、犬がそのまま食べてはいけません。
生のエビも犬にとっては下痢などの原因になるのです。
犬がエビを食べても大丈夫な与え方と、どうして「しっぽ」や「殻」と「生」で食べたらダメなのか その理由も含めて説明していきましょう。
エビを犬は食べれるからといって「しっぽ」や「殻」は与えないで!
エビはしっぽまで美味しく食べれる料理が多いですよね。
しかし、いくら美味しくても犬にエビのしっぽや殻を、そのままであげるのはよくありません。
消化管の短い犬にとって、エビなどの甲殻類はとても消化がしにくい食べ物なのです。
さらに、犬は野生の頃からの本能で食べ物を横取りされないように素早く食べるため、味わって食べたりはしません。
そのため、犬はよく噛んで食べるということもしないことから、エビに限らずほとんどの食べ物を丸呑みにしてしまいます。
人の場合は口の中で細かく噛み砕き、唾液と混ぜる事で消化の第一段階を行いますが、犬にはそれが無いのです。
犬の場合、飲みこんで初めて消化を行うのは胃袋になります。
そういった理由から、犬がエビのしっぽや殻を食べると、それらのギザギザとした硬い部位で消化管を傷つける恐れがあるのです。
エビのしっぽや殻で犬が消化管を傷つけてしまうと、食道炎などを引き起こす原因にもなってしまいます。
エビの身の部分だけでしたら食べさせても大丈夫ですが、塊を丸呑みすることも危険ですので、早食いをする犬は細かくしてあげると良いでしょう。
犬にエビをあげる時は、しっぽと殻は細かく砕くか、取ってからの方が危険が減りますよ。
犬にエビを生のまま与えると「いかで腰を抜かす」という言葉の原因になる!
犬は生のエビもいかも食べてはいけません。
「犬がいかを食べると腰を抜かす」という言葉を聞いたことはありませんか?
この言葉からすると、犬がいかを食べると何か問題があるみたいですね。
しかし、犬が腰を抜かすくらいなら、いかをあげても大丈夫な気がしますが、あなたはどう思いますか?
実は、「犬がいかを食べると腰を抜かす」という言葉は、生のエビやいかに含まれているチアミナーゼという酵素が原因で起こる、ビタミンB1の欠乏を表している言葉なのです。
チアミナーゼという酵素は、ビタミンB1を破壊する働きをします。
犬はビタミンB1を体内で合成することができません。
そのため、犬が生のエビやいかを大量に食べると、ビタミンB1が欠乏してしまうのです。
犬がビタミンB1を欠乏すると「ふらつき」や「起立困難」などが起こり、この状態を見て「腰を抜かす」と表現したのでしょう。
それでは、どうすれば犬は腰を抜かさずにエビやいかを食べれるのでしょうか?
ビタミンB1を欠乏させるチアミナーゼは、加熱をすることで活性を失います。
そのため、よく火を通してあげれば、犬はエビやいかを食べても大丈夫ですよ。
しかし、エビやいかは焼くと硬くなってしまいます。
犬がそれらを食べるとよく噛まずに飲み込んでしまい、喉に詰まらせてしまうかもしれません。
エビを加熱する時は、焼くよりも茹でる方が柔らかくなりますので、特に、老犬に与える際には茹でてあげましょう。
エビやカニの寿司は犬でも寄生虫には注意!
エビやカニの寿司には火が通っているものが多いですよね。
しかし、火が通っているからといっても、そのままの寿司を犬が食べるのはおすすめできません。
その理由は、寄生虫がいる可能性があるからです。
寿司の場合、他の生魚と一緒にお皿に乗っていることで、寄生虫が付着する恐れがあります。
生のエビやカニだけでなく、他の寿司ネタの寄生虫も死滅させるには加熱することが効果的です。
寄生虫は70度以上で加熱すれば大半が死滅します。
たとえ、エビやカニに火が通っていても、他の寿司ネタと一緒にお皿に乗っていた場合は、犬にあげる前にもう一度しっかり加熱をしましょう。
寿司で特に注意したい寄生虫は、人にも感染するアニサキスです。
目で見て確認できる大きさの寄生虫なのですが、寿司ネタに付着していてもそれに気づかずに食べてしまうことがあります。
アニサキスに感染すると「酷い胃痛」や「嘔吐」などを引き起こしますので、寿司のエビやカニを犬に食べさせた時には、そのような様子が無いかをよく観察してあげてください。
そもそもアニサキスがエビやカニに寄生していることは稀ですが、寿司に多く使われる青魚には寄生している事がありますので、一緒に調理する際には気を付けましょう。
いずれにしても、加熱すればあげても大丈夫ですので、エビやカニはしっかり火を通して犬にあげるようにしてくださいね。
犬がエビフライや海老の天ぷらを食べたらアレルギーにも注意!
犬に人のご飯をあげてはいけませんが、人の目を盗んで食べることがあるかもしれませんよね。
人用に調理されたエビフライや海老の天ぷらは加熱されてありますが、犬は食べれるのでしょうか?
また、エビやカニでアレルギーを起こす犬もいるので気をつけたいところですよね。
犬が誤ってエビフライや海老の天ぷらを食べてしまった時、どうすればいいのかの対処法をご説明していきましょう。
犬がエビでアレルギーに?食べた後は観察が大事!
犬も人間と同じようにエビやカニのアレルギーがあり、それを甲殻類アレルギーといいます。
アレルギーで身体に見られる変化の多くは、「体の痒み」や「嘔吐」と「下痢」などです。
エビやカニなどに含まれているトロポミオシンというたんぱく質が、甲殻類アレルギーを引き起こしてしまいます。
チアミナーゼと同じように、トロポミオシンも加熱処理をすれば、エビやカニを犬に食べさせても大丈夫なのでしょうか?
残念ながら、加熱処理の効果はアレルギーを引き起こすトロポミオシンに対しては薄く、多少減少する程度で完全に無くなることはありません。
そのため、甲殻類アレルギーの対策にはエビやカニを犬に食べさせないというのが一番です。
しかし、エビやカニを食べた犬のすべてが、甲殻類アレルギーの反応を起こすわけではないので、万一口にしてしまったとしても それほど心配しないでくださいね。
それでも、甲殻類に限らず他のアレルギーがある犬に、初めてエビやカニをあげる時には注意が必要です。
加熱したエビやカニを少量づつ犬に与え、体調に変化が無いか確認しながらあげるようにしましょう。
犬にエビを与えた後に大切なことは、「体の痒み」や「嘔吐」と「下痢」などのアレルギーが出ないかをよく観察することですね。
ちなみに、いかはエビやカニの仲間と思われがちですが、軟体動物ですので甲殻類アレルギーが出ることはありませんよ。
犬にエビフライや海老の天ぷらを与えてはいけない!
犬にとって、人のご飯は塩分などが多く味が濃いので、それだけを食べ続けるはよくありません。
しかし、あなたが食事の支度をしている時などに、犬が人間用の食べ物をこっそり食べてしまうことがありませんか?
人間用に味付けされた食べ物の方が、匂いも良いので好む犬もいますが、食べ続けることで健康を害するリスクが高まってしまいます。
エビフライや海老の天ぷらも、味付けをした後に油で揚げてありますので塩分に加え脂肪分も多く、犬が食べるには適しません。
塩分と脂肪分の多いエビフライや海老の天ぷらは、食べると肝臓や腎臓に負担がかかりますので肥満であったり老犬の場合は特に食べないように注意が必要です。
しかし、エビフライや海老の天ぷらを食べたとしても、その犬が甲殻類アレルギーでない限りすぐに体に異常が出るわけではありません。
万が一、犬が食卓のエビフライや海老の天ぷらを食べてしまった時には、食べた量を確認してアレルギーが出ないかよく観察をしてくださいね。
犬にアレルギーが出たり、体調に変化が見られるときには獣医師にすぐに相談しましょう。
犬がエビフライや海老の天ぷらを、間違えて食べないようにすることも大事ですよ。
犬が食べれる所に食材を置かないなど、勝手に食べられない工夫をしましょう。
犬用えびせんのご飯?食べると良い効果も解説します!
ここまで、犬がエビを食べれるかや食べた時のデメリットをお話ししてきました。
しかし、えびせんが犬のおやつとして売っているように、食べると良い効果もあるんですよ。
エビに良い効果があるのならば、積極的に愛犬に与えたいと思いませんか?
それでは、「エビを食べるとどんな良い効果があるのか」や「犬用のえびせんをご飯に入れる際の注意点」について解説していきましょう。
犬がエビを食べると健康に良い?その効果とは!
エビを食べることは、犬の健康にさまざまな効果があります。
エビは「高たんぱく」で「低脂肪」、その他にも「タウリン」と「ビタミン12」や「ビタミンE」が豊富に含まれているのです。
「たんぱく質」は犬にとって体を作る源になりますよね。
たんぱく質の多い食品は脂肪分も多い傾向にありますが、エビは高たんぱくのわりに脂肪分が少ないので、食の細くなったシニア犬にもおすすめです。
次に、「タウリン」は心臓や肝機能のアップに効果があります。
犬は体内でタウリンを合成することが出来るのですが、シニア犬になってくると十分な量を作れなくなってきますので、ご飯やおやつでエビを食べると心臓や肝機能に効果的です。
タウリンはエビの他にも貝類やいかにも豊富に含まれているので、犬の好みで食べさせるものを選んであげることもできますね。
「ビタミン12」は貧血予防に良く、「ビタミンE」は抗酸化の作用があるので、いずれもシニア犬に与えると良い効果がありおすすめです。
このように、エビの栄養素を見ると、肥満であったり老犬には積極的にエサに混ぜてあげたいと思いますよね。
しかし、いくらエビに良い栄養素が多くても、デメリットもありますので、大量に犬にあげてもいいという訳ではありませんよ。
エビをあげても大丈夫な量は、犬の大きさによっても変わってきますので、状態を確認しながらあげるようにしましょう。
犬用のえびせんをエサに混ぜて与える方法!?
えびせんは作る過程で加熱されていますので、ビタミンB1が欠乏する心配はありません。
また、えびせんは乾燥させて使うので、犬にとってはアレルギーの心配も減りますよ。
エビを犬のご飯に使う際には、加熱して乾燥されたものがおすすめです。
しかし、人間用のえびせんは塩分や脂肪分も多いので、犬用のものをあげるようにしましょう。
エビには犬に良い効果がたくさんありましたが、えびせんだけをご飯であげても、十分な栄養を得ることはできません。
普段のエサがドッグフードの犬は、それだけで十分栄養を摂取できていますので、積極的にエビを食べたりしなくても大丈夫です。
えびせんは、たまのおやつやご飯のトッピング程度であげると犬も喜んでくれるでしょう。
また、えびせんは硬いのでお皿に出したものを一気に食べてしまうと、犬が喉や消化管を傷つける怖れがあり危険です。
犬にえびせんをあげる際には、お湯で戻して柔らかくしてあげると老犬でも安心して食べさせられます。
ご飯は歯ごたえのある方が好きな犬もいますので、えびせんを細かくしてあげれば、お湯で戻さずにあげても大丈夫ですよ。
犬用のエビ レシピでご飯を手作りしてあげるなら桜えびを使ってみよう!
犬のエサをドックフードではなく、手作りご飯であげる際に使いやすいのが桜えびです。
桜えびも乾燥されているので、アレルギーの心配は少なくなります。
犬のご飯に桜えびを加えることで彩が増します。
たとえ犬が桜えびの色を分からなかったとしても、おいしそうな彩のエサは、あなたの心配りを伝えてくれるでしょう。
桜えびを少しトッピングするだけで、いつものドックフードが特別なご褒美ご飯になります。
桜えびを使って、普段のエサを華やかな印象に変えてみるのもいいかもしれませんね。
桜えび以外にも、エビを使った犬のエサのレシピをご案内していきましょう。
エビのしっぽや殻をエサとしてそのままあげるのは、だめですが出汁を取るのはおすすめです。
とても香りの良い美味しいスープが出来るので、それを使ってお肉を茹でてあげても良いご飯になりますよ。
エビのスープは、シニア犬が食べれるように、その汁でドックフードをふやかしてあげてもいいでしょう。
あなたの工夫次第で、犬がエビの栄養素を取り入れられる素敵なご飯ができるので、手作りにもチャレンジしてみてくださいね。